あおによし 薬師寺はいま

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Panasonic DMC-GF1, LUMIX 14mm F2.5 薬師寺金堂・五重の塔

さて、法隆寺の後は
薬師寺に向かう

あおによし という枕詞は
奈良にかかることで知られている
その奈良とは
僕にとっては
まさにこの薬師寺のことだ

青が寺院の窓枠の緑の青で
丹は柱の朱色

これはまさに薬師寺そのものではないか

でも、実はこの薬師寺の金堂や
新築された西塔をまじかで見るのは
僕にとっては初めてのこと

中学の時に
薬師中学という中学に所属してたため
ずいぶんと住職に褒められ良くしていただいた記憶はあるが
当時この金堂も西塔もなかった

薬師如来も日光・月光の両菩薩も
仮屋に収まっており
西塔に至っては
礎石しかなかった

それでも薬師寺は
天武天皇が持統天皇の病気平癒を祈願して
建立された愛の寺だという話に
中学時代ロマンを感じた寺院だった

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東の五重塔の先端に設置された
青銅製の水煙の飛天に
はるか彼方の天平時代に思いをはせたものだ

水煙は実際には法隆寺金堂の柱に施された龍同様
火事除けのお守りのようなものなのだが
24人の飛天の姿と
天武・持統の恋話が重なって
奈良=薬師寺のイメージが勝手に出来上がったのだろう

あれから35年経った今
この地に立っても
当時のようなロマンを感じることもなく
ああ、「あおによし」も
なんだか原色使いで目にいたいなあなどと
現実的なことを思ってしまうものだ

いまや少し朽ち果て気味の
落ち着いた色合いの東塔の風情が
金ぴかな金堂や西塔よりも確実に好きだなあと思う自分

まあ、年を取った証なのだろう
by darjeeling_days | 2011-05-04 22:16 | travel | Comments(0)

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