あおによし 薬師寺はいま
2011年 05月 04日
Panasonic DMC-GF1, LUMIX 14mm F2.5 薬師寺金堂・五重の塔
さて、法隆寺の後は
薬師寺に向かう
あおによし という枕詞は
奈良にかかることで知られている
その奈良とは
僕にとっては
まさにこの薬師寺のことだ
青が寺院の窓枠の緑の青で
丹は柱の朱色
これはまさに薬師寺そのものではないか
でも、実はこの薬師寺の金堂や
新築された西塔をまじかで見るのは
僕にとっては初めてのこと
中学の時に
薬師中学という中学に所属してたため
ずいぶんと住職に褒められ良くしていただいた記憶はあるが
当時この金堂も西塔もなかった
薬師如来も日光・月光の両菩薩も
仮屋に収まっており
西塔に至っては
礎石しかなかった
それでも薬師寺は
天武天皇が持統天皇の病気平癒を祈願して
建立された愛の寺だという話に
中学時代ロマンを感じた寺院だった
東の五重塔の先端に設置された
青銅製の水煙の飛天に
はるか彼方の天平時代に思いをはせたものだ
水煙は実際には法隆寺金堂の柱に施された龍同様
火事除けのお守りのようなものなのだが
24人の飛天の姿と
天武・持統の恋話が重なって
奈良=薬師寺のイメージが勝手に出来上がったのだろう
あれから35年経った今
この地に立っても
当時のようなロマンを感じることもなく
ああ、「あおによし」も
なんだか原色使いで目にいたいなあなどと
現実的なことを思ってしまうものだ
いまや少し朽ち果て気味の
落ち着いた色合いの東塔の風情が
金ぴかな金堂や西塔よりも確実に好きだなあと思う自分
まあ、年を取った証なのだろう
by darjeeling_days
| 2011-05-04 22:16
| travel
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