湯田温泉

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今日のメイン訪問地は山口駅からJR山口線で一駅新山口方面に戻った湯田温泉である。

山口市内からは車で15分程度の、市街地にある温泉ということで、普通言われるような温泉がとは趣を大きく異にしている。どちらかというと、山口市の繁華街・歓楽街という感じで、そのせいか、温泉街にあるようなほっこり和める甘味処とかはほとんどなく、むしろ飲み屋街の様に、飲食店などが数多く存在している感じである。

しかもビルやホテルが林立しているので、温泉街特有の情緒とは一線を画す形温泉地であり、「温泉」をイメージしていくと、大きく裏切られた感が強い。

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しかし、湯田温泉の歴史をひも解くと、歴史だけは古いのが面白い。開湯は約600年前といわれる。

白狐が毎夜温泉に浸かっていたところを権現山の麓のお寺のお師匠さんが発見したとされる。そのため、駅前には巨大な白狐のキャラクターが建ち、街のあちこちに白狐の小さな像が建っている。

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大内氏がまだこの辺りを仕切っていたころからの湯治場であり、昔はもう少し雰囲気があったのかもしれないが、いずれにせよ、戦国武将の本拠地に近い場所にある温泉だから、まあ歓楽街として栄えていたということなのではないかと思われる。

江戸時代末期には、尊王攘夷派の藩士や公家がこの地に滞在していたとも言われ、また、種田山頭火が暮らしていたこともある。

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詩人として広く名前を知られている中原中也の出身地はこの湯田であったらしい。温泉街に広い敷地を持つ中原病院が生家であったが、1972年5月6日火事で玄関前のイブキの木、茶室、蔵を残して焼失してしまったといわれる。

1994年2月18日、生家の敷地の一部に中原中也記念館が開設されたが、残念ながら現在は改装工事中で見ることはできなかった。

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湯田温泉の「湯田」という名称は、田んぼの真ん中から金色のお地蔵さんや、源泉が湧出したことに寄るのだと、駅前の案内に記載されていた。

JRの湯田駅から温泉の中心街までは徒歩約10分程歩く。平坦な住宅街、飲み屋街を抜けると、メインストリートの両側にホテルが並んでいる。そしてお土産屋は外郎屋が数件並ぶだけという、あまり環境客には嬉しくない環境である。

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唯一、湯田温泉で観光客がぶらぶら歩いて楽しめるのが、足湯だ。井上公園(旧・高田公園)など5つ存在する。2005年10月17日からは湯田温泉配給協同組合と山口県立大学が共同で足湯の効能検証を行った。

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共同浴場は湯田温泉街の中には「亀乃湯」一か所しかないが、日帰り入浴施設や旅館に併設された「立ち寄り温泉浴場」が存在するらしい。

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今回はスーツで会議に臨む身なので、日帰り温泉は入れなかったが、少しだけ足湯に浸かってみた。さらりとした単純泉ならではの、良い湯だった。JR湯田駅横にも足湯があって、そこには電車待ちの女子高生が友達と足湯に浸かりながらおしゃべりに興じている姿なども見られて、なんとも微笑ましい。

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ただ、やっぱり温泉まんじゅうを楽しみながらお茶を飲める場所は欲しいなあと思った。FLEURというパティスリでお茶をするぐらいで、何故わざわざ山口の温泉街にきてモンブラン食べているんだろうと、我ながらちょっとばかり笑ってしまった。

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その日は、会議が終わってそのまま新山口経由で広島まで。広島で一泊したのだった。また来たいかと言われると、ちょっと微妙。これだけの時間をかけてくるべき温泉は、他に多くあるだろうという気がする。
by darjeeling_days | 2014-01-17 22:20 | travel | Comments(0)

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