栗林公園へ

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折角栗林公園近くに来たのだし、
東口の横には土産物やがあると聞いたので、
朝ごはんのうどんを食べたその足で、
栗林公園へいってみた。

高松にはもうなんども来ているし、
JR高松駅から歩いて行ける
高松城址の玉藻公園には行っているのに
栗林公園に来るのは初めて。

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栗林公園の平庭部の広さは、
東京ドーム3.5個分にあたる約16.2ヘクタール。
これだけでも大名庭園の中では最大級だが、
更に背景となっている紫雲山を含めた面積は、
東京ドーム16個分の約75ヘクタールにも及び、
文化財に指定された庭園の中では日本一の大きさを誇るという。

大きな池の周りに起伏に富んだ地形で山や谷を表現し、
池の周りを散策できるように造られた大名庭園は、
広い園内を回りながら様々な景色を楽しむのが最大の魅力。

このように広大な敷地に6つの池、13の築山を有する栗林公園は、
江戸時代初期の大名庭園として優れた地割り石組みを有する南庭、
明治以降に近代的な公園として整備された北庭にわかれており、
それぞれの多彩な景色を堪能できる。

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公園の背後には、紫雲山がそびえている。
小高い丘のような山だが、この姿を見事に生かして
この公園が造園されているため、
庭と紫雲山が一体化して、より奥深い景観になっているわけだ。

借景とは造園手法の一つで、
庭園の外の山や樹木などの風景を庭の一部として
取り入れるもの。

借景の手法を取り入れた栗林公園では、
庭園の西に位置する紫雲山が、背景として重要な役割を果たしている。

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園内の至る所に形のいい松が植えられており、
まるで大きな盆栽とでもいうような手入れの仕方で
見る者の感動を呼び起こす。

過去、後楽園、浜離宮、兼六園など、様々な日本庭園を歩いてきたが、
栗林公園をぶらぶら歩きながら、
これだけの規模の、よい形に手入れされている庭園を
もしかしたら見たことがないかもしれないかもしれないと思った。

実際、栗林公園は、フランスの旅行ガイドブック
『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』において、
「わざわざ旅行する価値がある」を意味する
最高評価の三つ星に選ばれている。

また、アメリカの日本庭園専門誌による
「2011年日本庭園ランキング」においても、
庭そのものの質の高さ、
とりわけ松の美しさが評価され、第3位にランクされており、
さらには平成28(2016)年6月に、
「外国人に人気の観光スポット2016」で15位に選ばれているという。

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ちなみにこの栗林公園が造成されたのは江戸時代の1600年代初め。
最初は高松城に入場していた戦国大名生駒氏の家臣、
佐藤道益の居宅の庭(栗林荘)として始まった。

香東川の治水工事によって生まれた
豊富な伏流水を持つ広い土地になり
整備がされたといわれる。

1642年(寛永19年)5月に高松藩藩主になった
松平頼重が、隠居に当たって栗林荘に御殿を建て居住し、
その後、代々庭園を整備拡張し、
第5代藩主頼恭の時にほぼ現在の姿が完成したという。

明治維新後、1871年(明治4年)の廃藩置県により
「栗林荘」の敷地は官収・県に払い下げられ、
1875年(明治8年)に「栗林公園」として一般開放されることになった。

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公園の南側に向かって歩いていくと、
17世紀後半に建てられたといわれている「掬月亭」に行き着く。

この掬月亭は「水を掬(すく)えば月が手にある」という
中国唐代の詩の一節から名付けられた。
園内のどこからでも出入りができるよう、
四方に正面がある数寄屋造りの建物で、
その名の由来の通り低く抑えられた床に座ると、
まるで船上から手を伸ばして湖面に
触れることができるかのような雰囲気がある。

園内にある茶屋風建物の中で最も大きいため
「大茶屋」とも呼ばれ、
歴代藩主はこの建物をこよなく愛したといわれている。

掬月亭では、季節の移ろいを感じながら、
一服のお茶(煎茶もしくは抹茶)と菓子を愉しむことができる。

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この日は、結婚式の前撮りが行われており
炎天下のめちゃくちゃ暑い中だったが
新郎新婦が和装で掬月亭の吹き抜け部分で
写真を撮っていた。

丁度同じ時間帯に園内にいらした
岩間先生は、前に広がる南湖にかかる偃月橋の上で
新郎新婦が写真を撮っている場面に遭遇したらしい。

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この南湖は、南湖周遊和船「千秋丸」「迎春丸」が巡っている。

南湖に掛かった「偃月橋(えんげつきょう)」を
水面から眺めるのは格別なのだろうなと
船人のこぐ櫂の音を聴きながら思った。

の美しさ。春にはハート型の「恋つつじ」が咲く「杜鵑嶼(とけんしょ)」の脇を抜け、秋には「楓岸(ふうがん)」と呼ばれるカエデが多く植えられた岸辺に近づくなど、高松松平家の歴代藩主も楽しんだといわれる四季折々の庭の風情を満喫できます。

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掬月亭の右脇に、大きな松がそびえているのがみえる。
これは何百年物長い年月をかけて成長した、
栗林公園の中でも有名な根上り五葉松だ

高さ約8m、幹の周りの太さは約3.5mにもなる巨木で
天保4(1833)年に高松藩9代目の松平頼恕(よりひろ)が、
徳川11代将軍の家斉(いえなり)からいただいた
鉢植えの盆栽を庭に植えたところ
大きく成長したものと伝えられているらしい。

松が多い栗林公園でも五葉松はこの1本だけとのこと。

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吹上亭の横には、この庵の名前となった吹上がある。
吹上とは(ふきあげ)広大な池の水源地で
こんこんと湧く湧き水の流れ出す場所だ。

とても透明感の高い水を見ていると
しばし暑さを忘れるほど
涼し気な風景だった。

栗林公園のある場所は、
もともと河川の河床だったことから、
伏流水が多く、
その水は枯れることがないといわれている。

かつては「吹上」からの湧水で池の水をすべて賄っていたが、
現在では南側の2つの井戸から水を汲み上げていいるのだとか。

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南湖の名勝「偃月橋」を渡ったところにある
「吹上亭(ふきあげてい)」では、
散策の途中に本場の味「讃岐うどん」を味わえるほか、
店の縁台に腰掛けながら、お抹茶、イイダコおでん、
お団子を愉しむこともできる。

焼きたての団子は甘みのある味噌味で
熱々を食べるのが美味しい。

また、ここには、直島サイダーも売られているので
暑い夏には休憩にもってこいだ。

南湖で泳ぐ鯉に
ここで買った麩を与えることもできるので
楽しいひと時を過ごすこともできる。

営業:吹上亭 8:30~17:00

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吹上亭から東に少し登った飛来峰からの景色は
栗林公園定番の撮影スポットだ。

富士山に見立てて造られたといわれる築山「飛来峰」は、
園内随一広く園内を美亜渡せるビューポイント。

山頂近くにある珪化木(けいかぼく)の石組みは、
山が崩れるのを防ぐとともに、
富士山の雪を表したものともいわれている。
山頂から見下ろす偃月橋(えんげつきょう)や紫雲山を背景に
南湖の西に配された掬月亭を望む眺めは、
栗林公園を代表する景観の一つ。

ちなみに、この湖面に映った半月を思わせる偃月橋は、
月を伏せた半円の太鼓橋であることから
名付けられたという。

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公園の至る所に
睡蓮が花を咲かせている。

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更に、西湖の北側にある池には
無数の蓮が夏に花を咲かせる。

もうそろそろ終わりに近い八月の上旬だったが
かろうじて花を眺めることができた。

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明治の面影を残し、園内でもひときわ大きな存在感を放つのが
公園のちょうど中央に位置する「商工奨励館」だ。

栗林公園が明治32(1899)年に県立公園として
一般公開されることを機に建てられた
延床面積1,262平方メートルの建物で、
当時は「香川県博物館」として使用されていたという。

宇治の平等院鳳凰堂のように左右対称の造りになっており、
日本古来の建築様式のなかに西洋的技法も見受けられる。

写真は本館。


栗林公園
住所:香川県高松市栗林町1-20-16
電話:087-833-7411
営業:5:30~19:00(季節により変更有)
定休:年中無休
料金:410円
https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden

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by darjeeling_days | 2018-08-06 09:40 | travel | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


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