早朝散歩:馬喰横山~柳橋~浅草橋
2019年 08月 29日
朝夕、だいぶ涼しくなってきたので
(といっても日中はまだまだ暑いけど)、
朝散歩を再開すべく、
久しぶりに都営新宿線を乗り越して、
馬喰横山で下車。
今回は日本橋方面に南下するのではなく、
浅草橋方面に北上してみた。
馬喰横山から浅草橋方面へ伸びる
横山町商店街は、
呉服や衣料品の問屋街。
普段全く関係のない店が軒を連ねている。
もっとも、早朝(6:00am)なので空いている店は
皆無だ。
横山の衣料品問屋街を抜け、
江戸通りから神田川に掛かっている浅草橋を渡らずに、
神田川の南岸を両国橋方面にぶらぶら。
このあたりは船宿が軒を連ね、
神田川には屋台船や釣り船が沢山係留されていて、
とてもフォトジェニック。
あまり見慣れない屋形船や釣り船などが
所狭しと神田川に並んでいる姿は、
東京の名所としてお勧めできるのではないか。
昭和2年からここに店を構える船宿小松屋
早くから屋形船を隅田川で操業し
この世界の老舗中の老舗だといえる。
確かに東野圭吾の「麒麟の翼」でも
ここに係留しているボートで、
加賀、雨宮が橋を巡ったのではなかったか?
これが柳橋。
小さな鉄橋だが、なんだか趣がある。
由来は古く、1697年(元禄10年)に
渡し船では不便ということで
架橋願いが出され、
翌年1698年に完成したのだとか。
1887年(明治20年)には鋼鉄橋になったらしいが
関東大震災にて焼失したため
1929年(昭和4年)に再度鉄橋が作られ
現在の橋はこの時のモノだという。
90年の東京の歴史をここで見てきたのだと思うと
凄いなと思う。
戦火を免れたのも素晴らしい。
もともと橋のたもとに柳の木があったから
柳橋という名前になったという説話があるが
今も北詰めの西側に一本の柳の木が植えられていて
いい感じの光景を作っている。
柳橋というと、いわゆる昔の「花街」で、
江戸市中の商人や文化人の奥座敷だったらしい。
僕が若かりし頃も、
柳橋芸者なんて言葉が生きていた記憶がある。
でも、いまやこの一帯はすっかり
マンションやビルが立ち並び、
ほぼ花街の面影はない。
このあたり、いくつかの料亭があったはずと思って
検索してみたら1999年には
最後の料亭「いな垣」が廃業してしまったのだとか。
それはそれで、なんか淋しい。
小松屋は南詰めと北詰めに建物が立っているのだが、
佃煮のパンフレットが店先にあって、
これは美味しそうだなと思った。
こんど買いに来てみようか。
神田川から北へちょっと入ると、
風景がだんだん変わってくる。
篠崎稲荷という、比較的大きな神社が目に留まる。
正平年間新田義貞の家臣篠塚伊賀守重廣が
当地にあった稲荷社に祈願を続けていたことから、
「篠塚稲荷」と称されるようになったらしい。
江戸通りに出て浅草橋の駅を通り越して
西側の路地に入り込むと、
そこには銀杏岡八幡という静かな神社があった。
鎌倉時代創設の比較的古い神社で、
この一帯は、江戸以前から隅田川の西岸のちょっとした丘になっていたらしい。
源義家が奥州征伐の途中、この地で休憩していたところ、
銀杏の枝が流れてきたので、
その枝を丘の上にさし立て「朝敵退治のあかつきには枝葉栄うべし」と祈願したという。
康平五年(1062)に奥州平定の後再びこの地に帰り至ったとき
銀杏が大きく繁茂していたので
神恩に感謝し太刀一振を捧げ、
八幡宮を勧請したのが創祀の由来なのだそうだ。
鎌倉時代に八幡神社とか八幡宮が多く作られたのは
こんな風に源氏の影響なんだろうか。
御朱印ももらえるらしいが
早朝なので、まだ駄目だったのが残念。
同じ境内には此葉稲荷神社という
稲荷もあった。
ほんと東京には稲荷があちこちにある。
さらに江戸通りを北上すると、
もうすぐ蔵前という場所に
須賀神社が立っている。
名前から察することができるとおり、
ここはスサノオを祀った神社だ。
御創建は推古天皇九年(600年)と
先ほどの銀杏岡八幡よりも古い。
このあたり、意外と古い神社が多いのは、
江戸といっても
海の中ではなかったからなんだろうね。
『アースダイバー』(中沢新一著)の
縄文時代と現代の地図を重ねた地図、
欲しいなあ。
この神社スサノオを祀っただけに、
江戸時代には牛頭天王社、祇園社、
蔵前天王社、団子天王社と呼ばれていたらしいが、
明治元年、須賀神社と改称したのだとか。
団子天王社ってかわいいのになあ。
そんなに大きくはないけれど
由緒正しい神社というのが分かる佇まい。
木造の神社だったらもっとよかったのだけれど
やっぱり維持が大変なんだろうね。
最近多く見かけるコンクリート建てだった。
ここには是非、御朱印をもらいに来ないといけないので、
そのうちランチタイムに足を延ばすことにしよう。
浅草線でに日本橋から3駅なので、
さくっと言ってこれるキョリだから。
by darjeeling_days
| 2019-08-29 08:40
| walking
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