日本橋稲荷巡り:出世稲荷

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椙森神社から
若干人形町方面に南下すると、
Google mapに「出世稲荷」の表示が現れる。

細い路地を右に入ると
マンションの入り口に
「出世稲荷」の石碑が見える。

でも、そこは自転車置き場。
???
よく見ると自転車置き場の置きに
お稲荷さんがあったのだった。

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恐る恐る自転車置き場を入り
突き当りの赤い旗のところに行き着くと、
小さな鳥居がある。

右側にマンションの一角を工夫して
お宮が立っているのだった。

お宮の前は猫の額ぐらいの
空間があり、
そこに朽ち果てそうな
木の棒が一本建てられていた。

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は組の木遣り塚というもので、
このあたりが「は組」の書簡だったということらしい。

江戸時代に町家が発展したことから
地域での「消防」を担うために、
大岡越前の指導でできたのが「町火消」だ。

これがさらに整備され
10番(区割り)の「いろは48組」と
大川(隅田川)以東の3組(区割り)が
「町火消」組として整備されたのだとか。

で、木遣りとは
土木などの共同で行う
労働時の「掛け声」だという。
火消は、大変な土木作業でもあり、
それぞれの組ならではの木遣りがあったらしい。
そのため、各地の神社稲荷には、
いまでも木遣り塚が残されているらしい。

この出世稲荷には、
その「は組」の木遣り塚が残っていたわけだ。

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肝心のお稲荷さんは、本当に小さな神社。

創建は江戸時代の初め、元和3年。
北条家の浪人であり、
吉原遊郭を作った庄司甚右衛門の仮屋敷が
この場所にあり、
その屋敷神として京都の伏見稲荷より
ご祭神を勧請して祀ったのが始まり。

関東大震災で被災したので、
椙森神社の再建時に、
取り壊しで出た材木を使い、
昭和6年に再建されたという。

何故出世稲荷というかというと、
江戸時代の歌舞伎役者である初代市川團十郎が、
日参して祈願し名を上げたことからなのだとか。

岩代稲荷神社が合祀されており、
社殿にはその扁額も掲げられていた。
ちなみに「岩代」は
ここの東側付近の旧町名で、
旧日本橋区役所が設置された場所らしい。

P2080361

世話人らしいご老人が掃除をしていたのだけれど、
僕が手をあわせようとしたら、
横によけてじっとされていたので
早々にお参りを切り上げたのだけれど、
なんと、ご老人が
「早朝からお参り頂いたので
お札を差し上げます」と
普段は配布していないお札をくださった。

早起きは三文の徳、
なにか良いことがありそうな気がして
なんか嬉しかった。


出世稲荷
住所:東京都中央区日本橋堀留町1-6-11


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by darjeeling_days | 2019-09-06 06:05 | shrine:神社・稲荷神社 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


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