東京ステーションホテルの原稿用紙メモ

東京ステーションホテルの原稿用紙メモ_d0227799_20370269.jpg
原稿用紙を使う機会というのは、
もはやほとんど無い。

最後に使ったのは、
確か大学の卒論を書いた時ではなかったか。
200字詰めの原稿用紙100枚以上という
条件が付されていたのだが、
そんな枚数では書ききれなくて、
50枚綴じのコクヨの原稿用紙を
5冊費やした記憶がある。

なにしろ4年間学費・設備費などが
無償で提供される特別奨学生だった僕は、
マンツーマンで専任の教授が付き
指導を受けることになったのだが、
経済学史の専門家だったその指導教授が、
僕にお題として課したのは
『経済学と人間』という
壮大なテーマだったからだ。

社会人になってからも論文や
専門書(『中国茶の本』も書いた)の原稿を書いたが、
その頃にはすでにワープロなるものが
普及していたため、
ついぞ原稿用紙を使うことはなかった。

原稿用紙といえば作家の三種の神器という感じで、
その紙質や罫線の引き方など、
こだわる文豪も多かったと聞く。

有名な原稿用紙のメーカーはいくつもある。
例えば川端康成や吉屋信子は浅草の満寿屋、
中原中也、有島武郎、北原白秋、萩原朔太郎、横溝正史は神保町の文房堂、
夏目漱石、北原白秋、石川啄木、坪内逍遥は神楽坂の相馬屋源四郎商店、
吉行淳之介や井上ひさしは、同じく神楽坂の山田紙店
などのものを使ったという。

ここ数年よく宿泊する東京ステーションホテルの
部屋に用意されているメモ用紙が
20字詰めの原稿用紙になっているのだが、
それがとても良くできていて、
しかも書きやすく、
原稿用紙も案外いいものだなと思い始めている。

原稿用紙を使って何を書くのだ?
という問題はあるのだけれど。

そういえば、最近ではSNS時代ならではの
SNS用原稿用紙なるものが出回っているのだとか。
そんなものを便箋やノート代わりに
使ってみるのおもしろいかもしれない。


東京ステーションホテル
dd_fotterjpg

by darjeeling_days | 2020-04-12 07:50 | stationary | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


by darjeeling_days
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31