字(筆跡)

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自分の字の出来てきた変遷を思い出すと、
何人かの影響を受けた人がいる。

よく覚えているのが、
高校時代に通い詰めた喫茶店のノートの常連だった
みどりこさんの個性的な字。
あの文字は好きだったなあ。
女子大生とは思えない男気のある文字。
まだ20歳ぐらいだったはずなのに
完成されたその筆跡には
本当に憧れたものだった。
あれを見たからこそ、
自分の字のひどさに開眼したのだった。

高校時代の彼女の字もとてもきれいだったけれど
女性文字だったので真似しようがなかった。
ただ彼女の縦書きの文字は本当にいい感じだった。


ミニコミを作家の片岡義男氏に届けたことで
届いたポストカードに書かれた片岡さんの金釘文字は
なんともデザインのようで格好良くて
これはみんなで真似したのをよく覚えている。

この字は、作家になった駒沢敏器の字にも
とっても似ていて(逆だけど)、
文章だけではなくて字も
敏器は片岡さんが好みだったのだろうね。

それから大学の当時学部長をしていた
担当教授に付いていた美しい秘書の女性。
何か資料を届けて
その時に彼女の手書きの書類をもらったのだけれど、
全て美しかった彼女の書いた字の中でも、
町田市の「市」の字がめちゃくちゃ美しくて
なんども真似したけれど、
ついぞ同じようには書けなかった。

当時の僕の字は、ひたすら講義で教授たちの発する言葉を
一言も聞き逃さないようにノートに書きつけるためだけに
発案された筆記体のような斜めになった文字だった。

試験の時には学生の間でその教科のノートがコピーされるのだが、
知らない奴が持っているノートが僕のノートであることが
一発でわかるような、そんな癖のある字だった。

そういえば、流通経済論では教授から
「そんなにきちんと取られたノートは今まで見たことがない」と褒められ、
「私にもそのノートをコピーしてください」といわれたけど、
あの癖のある字で教授は耐えられたのだろうか(笑)。

その後、会社に入ってペン習字をやらされたけれど
その時は「字を書くこと」にあまり興味なかったので
字は美味くならなかった。

八ヶ岳山麓にあったペンションドンキーハウスの
手書きの案内パンレットを作った際に、
僕が文字を担当したのだけれど
その時には、池袋の本屋で見かけた
ミニコミ誌に使われていたフォントを真似してみた。

今の僕の字はそれがベースになって出来上がっている。

万年筆をきちんと使うようになったここ数年は
気に入ったペン習字の線背の字を
時々真似してみたりするのだけれど、
なかなか自分の字としてものにできない。

美しい字を書けることには
本当に憧れるのだが、
果たしてそんな字を書けるようになる日は来るのだろうか。

まあ、とにかくメモ魔なので
字を書くことは日課になっているのだから、
せめて多少なりとも見栄えの良い字が書けるようになりたいものだ。
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by darjeeling_days | 2020-04-01 20:30 | word:言葉 | Comments(0)

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