永林寺/柚木豊川稲荷奥の院
2020年 11月 22日
我が家の近隣の英林寺という大きな寺には、
なぜか豊川稲荷が祭ってあり、
大きな本殿も立っているのだが、
その裏手にあるその奥の院というのには、
あっけらかんと性神が祀られていた。
ちょっとびっくり。
前回は全く気が付かなかったのだけれど、
今回は三重塔まで登ったのだけれど、
それで気が付いた。
近隣にはあまり存在は知られていないようで
ここに来る人もあまりいないようだった。
豊川稲荷というと、神道というより仏教系の
ダキニを祭るお稲荷さんだから、
通常豊川稲荷の奥の院は、
豊川荼枳尼眞天というインドの神様が
祀られているのだけれど、
なぜ、ここは性神なのかなあ。
そもそも荼枳尼眞天は、
豊穣を司る女神から
性や愛欲を司る神へ転身し、
そして夜叉になったといわれる神様だから、
こういう設えもまちがいではないのかも。
それにしても男女の立派な一物が
こんな風に祭られているのは、
結構貴重ではないかとおもう。
昔はもっと性神はあっけらかんと
子宝祈願の神様として
信仰が厚かったのではないか。
起源は縄文時代の石棒までさかのぼるといわれ、
喜多見の氷川神社などは、
まさに縄文遺跡の石棒を祭っているけれど、
こういう民俗学的な遺跡は大切にすべきだろうとおもう。
おそらく明治維新の神仏分離と廃仏毀釈や万世一系といった
王政復古の大号令にもとづく「日本の神々の統括システム」を
確立するための政策の断行により
失われてしまったものも多いのだろう。
忌むべきものとか興味本位の対象ということではなく、
祷るべき、保存しべき対象として
扱うべきなのではないか。
そう思うのだ。
その昔藤本義一が『性神探訪旅行』という小説を書いていたが、
もしかしたら根底は同じ考えだったのかもしれない。
by darjeeling_days
| 2020-11-22 11:05
| shrine:神社・稲荷神社
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