日本最古の神社:大神神社

日本最古の神社:大神神社_d0227799_16001044.jpg
さて、いよいよメインイベントの大神神社だ。

この神社の創設が「記紀」に登場するほど古く、
『日本書紀』では、大国主の「幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)」である
大物主が自分を祀れといったと記されている。
一方で『古事記』では、大国主の目の前に大物主が現れ自分を祀れとしたとされる。

この書き方が『記紀が事実を隠ぺいした』部分でもあり、
さまざまな憶測をよぶことになるのだ。

物部氏の歴史である『先代旧事本紀』には、
「饒速日尊(にぎはやひのみこと)は、天神あまつかみのご命令で、
天の磐船あまのいわふねに乗り、河内の国の河上の哮峰いかるがのみねに天下った。
さらに、大倭の国の鳥見の白庭山に遷った。」と記されている。
つまり神武以前の大倭の大王は饒速日尊であったと考えられる。
饒速日尊は神衣・衣帯・手貫の三物と共に、
鳥見の白庭邑(現在の奈良県桜井市三輪山の事)に葬られたとされている。

実は大神神社には本殿はなく、本殿のように建っている建物は拝殿だ。
そして本尊は三輪山本体になる。

つまり、大物主=饒速日尊が祀られている三輪山を祀っているということになる。

そんな日本の国が出来上がったころの
大王に思いを巡らせながら、
日本最古の神社に祈りをささげた。

大物主は蛇神であるといわれ、
手水舎にも蛇がいる。
さらに、拝殿の前に立つ巳の神杉(みのかみすぎ)には
たまごが備えられている。

そして面白かったのは、
日本最古の神社たるゆえんか、
はたまた蛇を模したからなのか、
普通に神社に建っている鳥居が
立ち木にしめ縄がめぐらせてあるだけなのだ。

このしめ縄が張られている立ち木は、
諏訪神社の御柱を思わせるものだった。

いずれにせよ記紀も大物主を
出雲系の神様として認めている。
しかしこの大物主が出雲系なら
何故天津神の眷属とされる饒速日が大物主なのだろう。
これも記紀が事実を改ざんした結果なのだろうか?

ちなみに饒速日の本名は
天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊(あまてるくにてるひこあまのほのあかりくしたまにぎはやひのみこと)で、
別名として
 天火明命(あまのほのあかりのみこと)
 天照國照彦天火明尊
 胆杵磯丹杵穂命(いきしにぎほのみこと)
 天照御魂神(あまてるみたまのかみ)
 天照皇御魂大神(あまてらすすめみたまのおおかみ)
 櫛玉命(くしたまのみこと)
 櫛玉神饒速日命(くしたまのかみにぎはやひのみこと)
がある。

天照御魂神とか天照皇御魂大神は、天照大神を想像させる名前ではないか。
もともと三輪山に祀られている大物主である倭大王神は
宮中に天照神と祀られていたといい。これが伊勢神宮のアマテラスになる。
しかし、天照神を天照御魂神と解するなら
伊瀬神宮の神も饒速日であったことも想定しうる。
伊勢神宮の神が男性神であるといわれる理由は
そんなところにあるのかもしれない。

DSC_8687

_1340264

DSC_8691

DSC_8694

DSC_8696

DSC_8698

DSC_8702

DSC_8706

DSC_8708

DSC_8710

DSC_8715

DSC_8719
DSC_8726
DSC_8728

_1340267

大神神社
住所:奈良県桜井市三輪1422
電話:0744-42-6633


dd_fotterjpg

by darjeeling_days | 2015-11-21 13:25 | shrine:神社・稲荷神社 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


by darjeeling_days
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31