秋分 次候 「蟄虫坏戸 (むしかくれてとをふさぐ)」
2021年 09月 28日
近所の雑木林でシジミチョウ。Nikon Z5, Nikkor Z MC 105㎜ F2.8 VR S
今日から秋分の次候、「蟄虫坏戸 (むしかくれてとをふさぐ)」だ。虫たちが冬ごもりの支度のために土にもぐり、入口の戸をふさぐ頃を意味する。ちょうど、啓蟄の初候「蟄虫啓戸」と対をなす。3月頭に土から出てきた虫たちが、9月末で冬ごもりの支度をするとうことらしい。もちろん地上で越冬する虫も多いけれど、多くの虫は幼虫が土の中で育ったり、成虫のまま土の中に潜り込むらしい。
もともと蟄虫坏戸 の「蟄は、執+虫から作られた文字で、「かくれる。冬ごもりする」という意味だ。「虫」はそのまま虫の意味で、この2文字で虫が隠れていることを意味する。ちなみに昆虫である虫はもともと虫(キ)が三つ集まった形の「蟲」という字が使われていた。つまり昆虫は数匹が肩を寄せ集めて生息するために「蟲」は昆虫を表し、単独で生息する蛇などの爬虫類なども含む生き物が「虫」と表示されたらしい。だから昔は虫という言葉は往々にしてまむしを意味したのだとか。したがって、ここでも、単純な虫が地下に戻るというのではなく、蛇なども含めて冬眠の準備に入るという意味になるのだろうか?
「坏」は、土+不から作られた文字で、「不」は、ふくらむという意味を持っていらしい。したがって、[土+不]という字は、「土が膨らむ」すなわち土が膨らんでいるのは通常「丘」なので、「坏」という字の原義は「丘」だったらしい。これは面白い話だ。では、何故「不」は膨らむという意味で、現代みたいに"NO"”否”という意味ではなかったのか?当時の中国の漢字と日本の漢字の意味が大きく違うということなのかもしれない。その後、「坏」は塞ぐ、埋めるの意味でも使われるようになり、「坏戸」で戸(神を祭る神棚の片開きの扉の形)を閉じるという意味に解釈されるようになったのだという。ちなみに、日本では古くから「坏」は「つき」(杯/坏:古代の飲食物を盛る器で、碗より浅く皿より深いもの。「高坏(たかつき)」の「坏(つき)」だ。)とか「かわらけ」(土器:日本の中世から近世(平安時代末 - 江戸時代)にかけて製作・使用された素焼きの土器。その中でも特に碗・皿形の器種を指す語)とかを意味するので、ここでは、中国伝来の言葉の意味がそのまま採用されたのだろう。
ようやく涼しくなってきたので、実際の暦の上9月28日は、いま秋の虫が真っ盛りに鳴いているという感じだろうか。旧暦の9月28日は11月2日ごろなので、確かにその頃には、動植物が冬眠の準備に入るというのは確かなのだろう。9月28日を旧暦に直すと今年は8月23日なのだとか。この旧暦とのタイムラグが、なんだかいろいろと錯覚を招くのがちょっとめんどくさい。
いつも楽しく読ませてもらっています。
これは参考になりました。虫の写真はたくさん撮って好きなのですが、この言葉は知りませんでした。
南大沢が好きで虫や鳥や花や風景も撮って20年ほど南大沢の自然というHPに載せてます。
これは参考になりました。虫の写真はたくさん撮って好きなのですが、この言葉は知りませんでした。
南大沢が好きで虫や鳥や花や風景も撮って20年ほど南大沢の自然というHPに載せてます。
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> mosphotoさん
コメントありがとうございます。いつもmosphoto様の「南大沢季節便り」をはじめ、素晴らしい写真が掲載さているblogを拝見させていただいておりました。
私も南大沢(上柚木)に移転してはや27年。10年以上前からmosphoto様の写真を頼りに桜巡りなどさせていただいておりました。季節を巡る言葉も様々で、特に24節気や72候はほとんど現代の生活とは無縁(雑節の方が残っている気がしますが)なので、今年は少し探索しようと思い、5日ごとの72候を中心に暦をめぐるあれこれを備忘録的に書き綴っています。引き続き、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。いつもmosphoto様の「南大沢季節便り」をはじめ、素晴らしい写真が掲載さているblogを拝見させていただいておりました。
私も南大沢(上柚木)に移転してはや27年。10年以上前からmosphoto様の写真を頼りに桜巡りなどさせていただいておりました。季節を巡る言葉も様々で、特に24節気や72候はほとんど現代の生活とは無縁(雑節の方が残っている気がしますが)なので、今年は少し探索しようと思い、5日ごとの72候を中心に暦をめぐるあれこれを備忘録的に書き綴っています。引き続き、よろしくお願いいたします。
by darjeeling_days
| 2021-09-28 10:30
| calendar:暦・歳時記
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Comments(2)




