新宿高野のマリトッツォ

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家人が土曜日にマリトッツォを買ってきた。しばらく前から人気になって、あちこちで売られている菓子パンだ。なんかこの手の人気は、古くはティラミス、最近ではバブルティーのように一過性になりそうな気がするのだが、”美味しいものは許す”という我が家の家訓(嘘)からすれば、当然手を出してしかるべき代物ということになる(笑)。

そもそもマリトッツォはティラミス同様、イタリア発祥の、パンにクリームをドンと挟んだデザートで、その起源は古代ローマにまで遡るらしい。もともとマリトッツォはパンの部分だけを指す言葉だそうで、日本に持ち込まれたときに、クリーム入りが
マリトッツォになってしまったらしい。このパンを贈った男性を「夫(マリート)」(イタリア語: marito)の俗称である「マリトッツォ」と呼んだことから、この名前が付いたのだとか。昔は、プロポーズするときに、この中に指輪や小さな宝石を入れてプレゼントしたなどという風習もあったらしい。ちなみに、生クリームが詰められたものは、イタリアでは生クリーム入りのマリトッツォという意味のマリトッツォ・コン・ラ・パンナとよぶのだとか。

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いまやコンビニなども含め、あちこちで売られているマリトッツォだが、なぜ日本ではブリオッシュ生地が主流になったんだろう。別にブリオッシュでなくともよいというので、もうすこしふんわりした、クリームの合うパンでよいではないかと思うのだけれど。

家人が買って来たのは、新宿高野のもの。高野らしくクリーム部分にカットしたイチゴが埋め込まれていて、イチゴが美味しいフルーツパーラーだけあって、かなり上等な洋菓子に仕上がっている。パン生地は、確かにほんのりとブリオッシュ風ではあるが、ブリオッシュほど生地が粗くなくて、もう少ししっとりとした良い感じだ。これに大量のクリームが挟まっていて、イチゴの輪切りがはめ込まれた姿は、とてもフォトジェニックで、これは単なる菓子ではなくもはやケーキの部類に分類してもいいのではないかと思う。中央部分には、イチゴのゼリーが仕込まれていて、アクセントになっている。さすが高野だけあって、とてもおいしかった。

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そういえば、マリトッツォには、イチゴジャム入りというのをよく見かけるけれど(成城石井で売っている)、もっと大胆にアレンジしたものも出現しているのを見ると、こういう応用は日本人上手だよなと思う。ただ単にコピーして売るだけの中国人や韓国人よりも、はるかに心がある気がする。先日買ったセブンイレブンの”どら焼きマリトッツォ”は結構いい線をいっていた(思わずインスタに掲載したっけ。)。最近では、おはぎにクリームを挟んだ”はぎトッツォ”とかメロンにクリームを挟んだ”メロトッツォ”(ウェンディーズ・ファーストキッチ)、挙句の果てには、いなり寿司でアレンジした”すしトッツォ”(古市庵)なんて言うものもあるらしい。すしトッツォはもはやパンもクリームも使っていないので、マリトッツォの要素は皆無だけれどね(笑)。

まあ、こんなマリトッツォ現象も、美味しいものを世に送り出してくれるのなら、大歓迎なのである。

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新宿高野本店
住所:東京都新宿区新宿3-26-11 B1F/B2F
電話:03-5368-5151(タカノオリジナルフード&ギフト)
営業:10:00-20:00
定休:無休
https://takano.jp/

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by darjeeling_days | 2021-12-06 20:00 | Sweets:洋菓子 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


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