仕事始めの初詣 日枝神社茅場町摂社

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今日から仕事始め。といっても、今日は新年のあいさつとかで終わるのだけれど、もう一つ重要な恒例行事がある。前の会社が入っていた東京証券会館のすぐ裏手にあった日枝神社茅場町摂社に初詣に行くことだ。これは1983年から途中NYに行っていた2回を除いて、36年間続けてきたこと(大蔵省出向時もわざわざ茅場町まで来たのだった。)。

そして、オフィスを日本橋に移転した次の正月(2019年)からは、お札をもらって毎年ちゃんと東に向けてオフィスの部屋におまつりしてある。このビルに越してきたときに、風水に嵌っているとある会社の会長さんに、”そのビルは風水的に鬼門(北東)・裏鬼門(南西)に出口があるのであまり望ましくないので、ちゃんとお札をおまつりして、できる限り北西側からビルに出入りすると良い”といわれた。なんだかそれがずっと気になっていて、ちゃんと守っている。幸い僕自身にはこの2年特に問題はなかったのだけれど、このビルに越してから会社の後輩が二人も亡くなった。直接的な因果関係はないのだけれど、やはり会長さんの話を聞いた部下や、僕から話を聞いた後輩も、最近はすこし気にし始めているみたいだ。だから、仕事始めの日に日枝神社茅場町摂社に行って、初詣だけではなく、お札とお守りを頂戴するのが2019年からのルーティーンになっているのだ。
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茅場町や隣接する兜町は古くから各種の企業が集積しているため、この神社にも企業として初詣に来る人達が結構多い。この時期、企業として詣でる神社として皇居の鬼門を守る”神田明神”が人気(息子の会社も今日の午後に部署で初詣に行くらしい。)だが、赤坂の日枝神社も皇居の裏鬼門を守る神社として有名で、その摂社である茅場町の日枝神社も、人気なのは頷ける。

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この日枝神社茅場町摂社は、近々平和不動産によって再開発されることになっているのだが(本当は向かい側のKABUTO ONEと同じ時期に竣工するはずだったが、かなり遅れているらしい。)、いまはまだ全然手付かずだ。でも、この神社の雰囲気は、僕の知る限り38年前から変わっていない。時にはこの境内でコーヒー飲んだりお昼を食べたり(今は飲食が禁止されてしまった)、日常生活の中にも根差していた神社だったので、ここに来るとなんかほっとするのだ。できればこのままの姿で残ってほしいと思うけれど、一方で、三井不動産がコレド室町とともに再開発した福徳神社の例があるから(赤坂日枝神社も、再開発されたらしいので)、あと数年すると変わっていくのだろう。

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お札とお守りをいただいた際に、ついでにおみくじを引いた。おみくじの引き直しは無しというのが一般的なおみくじの基本だが、愛宕神社では大吉だったのでそのおみくじの引き直しではないということで、これは許されるはずだ。おみくじは、なんだか、その日の運勢みたいな感じでもある気がするが、ある意味”観光”のお土産的なものでもあるのかもしれない。昔は神様に感謝しお祈りするのが神社だったが、一方で、富士講とか伊勢参りが盛んになると、そこには物見遊山的要素も加わり、名所巡りや飲食を楽しむ旅が庶民にも広がり、まさに観光につながっている。神社の参道にはお土産屋さんが並ならんでいたり、飲食店が軒を連ねたりしているわけで、神社におみくじが登場したのも、そんな要素とまるで別物とは言い切れないのではないだろうか。景品のあたる「くじ引き」も、おみくじとそのルーツは同根のような気がする。実際、各種おみくじの本を読むと、ほとんどの本には同じ日に同じ種類のおみくじを引くのはNG(おみくじの引き直しになるから。出た結果を真摯に受け止めろということ。)だが、同じ日に違う神社のおみくじを引いて回るのはOKと書いてある。つまり、もっと気軽に旅先でいろんな神様の声を聴くこと(セカンドオピニオン的なもの見たいな解説がしてある本もあった。)は推奨されているわけだ。こういう部分は、昔読んだ中沢新一の『観光』にどこか通じるところを感じるのだ。

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さて、日枝神社茅場町摂社に来たからには、併せて境内に祀られた”明徳稲荷”にも詣でるのがいつものやり方。明徳稲荷神社は一見すると日枝神社の境内社のように見えるが、独立した神社で、元禄年間(1688~1704)南茅場町の与力同心組屋敷拝領地内(現在の茅場町一丁目交差点付近)に勧請されたが、明治18年回禄(来戸注・火災)の災後は社殿と神楽殿を再築し、その後、関東大震災、東京大空襲にて焼失したが、昭和24年には社殿を復興したらしい。東京証券会館(以前僕の会社が入っていたビル)建設に当たり社殿御遷座が検討され、その結果、昭和38年6月にこの地に遷座したという。なお、それ以前に翁稲荷や祇園稲荷、産千代稲荷など、複数の稲荷神社を合祀したとも伝えられている。

御祭神は”宇気母智神”。つまり、保食神(うけもちのかみ)だ。普通お稲荷さんは、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ=倉稲魂命)を主祭神とするが、保食神はオオゲツヒメと同一神とされ、宇迦之御魂神はオオゲツヒメを殺した素戔嗚の娘とされるので、本来は別の神様にあたる。しかしいずれも稲、食量の神として祭られているところは、性格を一にしているので、これらが混同することになったのだろうか。ちなみに銀座にある”豊岩稲荷”の主祭神は、「保食神(宇気母智神)或は倉稲魂神」と書かれていて、この二柱を同一視しているのが面白い。

いずれにせよ、お稲荷さんは五穀豊穣の神様なので、このゆかりあるお稲荷さんもしっかりと初詣してお祈りするのである。

日枝神社お札

山王御旅所 日本橋日枝神社
住所:東京都中央区日本橋茅場町1丁目6番16号

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by darjeeling_days | 2022-01-04 11:30 | shrine:神社・稲荷神社 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


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