小寒 初候「芹乃栄(せり すなわち さかう)」

小寒 初候「芹乃栄(せり すなわち さかう)」_d0227799_09162758.jpg

今日から二十四節気は冬至から小寒に移る。小寒とは、”寒さが本格的になる時期”を意味する。すなわち寒の入りを迎えるということだ。

昨日仕事始めを終え、帰宅する途中、いつも空を眺める場所から西の空を眺めたら、いつもより空が明るかった(12月27日の「朝焼けと残照」と比較すると明らか。
)。冬至より早く日の入り時間は伸び始めてきたのだが、明らかに冬至よりも明るくなったのを実感できた。にもかかわらず、手袋をしていない手がかじかむほど寒かった。日の指す日中の時間が一番短くなった冬至よりも後の方が寒いのは、夏至と同じ理論だ。つまり部屋をクーラーで冷やして行くときに、冷気を徐々に強くしていき、最大冷気にしてもまだ温度が下がり、完全に冷え切るまでタイムラグがある、そんな状態なのだ。


APC_0304

二十四節気は、小寒の後に今月下旬には”大寒”も控えており、2月頭の立春までは、寒い日が続く。東京も明日は雪がちらつくという予報が出ているので、寒い日が続く。寒いとインフルエンザが流行るのだが、相変わらずこの冬はインフルエンザが流行するといわれていたにもかかわらず、コロナが新型株のオミクロンも含め、徐々に増加し、昨日は東京の150人を超える感染者数になってしまった。オミクロンはまだそこまで流行っていないのに、この感染者数ということは、クリスマスから正月にかけて人流が増え密になり、マスクなしの忘年会は新年会があちこちで開かれたということなんだろう。ある意味自業自得。やはり気を緩めちゃいけないということ。自戒を込めて。

P1740387

そして72候は初候の「芹乃栄(せり すなわち さかう)」に入る。これは呼んで字のごとく、セリが盛んに成長する時期であることを示している。

セリは、若葉の成長が競り合うように背丈を伸ばし群生して見えることから、「競り(セリ)」とよばれるようになったと言われている。秋から冬にかけて多数の根生葉を叢生し、春から夏にかけて泥の中や表面を横に這うように根元から白く長い匍匐枝(ほふくし)を伸ばして、秋にその枝の節から新しい苗ができて盛んに成長する。ここでいう”芹乃栄”は、多数の根生葉を叢生するさまを表現したのだろう。

明後日の1月7日は”七草”で、七草の筆頭にセリが入っているのは周知の事実だ。旧暦の正月(現在の1月~2月初旬頃)に採れる野菜を粥などに入れるようになった(平安初期以前は、は米・粟・黍(きび)・稗(ひえ)・みの・胡麻・小豆の7種の穀物を入れた餅粥がメインだった。)という。昔からこの時期に摘まれることが多かった植物ということなのだろう。

そんなセリだが、やはり何と言ってもセリ鍋が一番うまい。セリ鍋というと仙台の名物で、11月中旬から2月末までの期間限定メニューだといわれる。数年前に仙台の事務所に仕事で訪問した際に、現地のスタッフにセリ鍋の店に連れて行ってもらったことがあった。葉よりも根がほんとに美味しくて、それから自宅でも根の付いたセリを探しては、セリ鍋をするようになった。そろそろ仙台にセリ鍋を食べに行きたいものだ。

dd_fotterjpg

by darjeeling_days | 2022-01-05 10:10 | calendar:暦・歳時記 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


by darjeeling_days
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31