あの頃のオートバイ

Old Phot Scan

大学を卒業した足で、オートバイの免許を取りに行った。少し前までは自動二輪の免許は、大型・小型だったのに、僕が免許を取りに行ったときには既に、大型・中型・小型になっていて、大型をいきなり取るのは至難の業だった。なので、仕方がなく中型の免許を取得する。

車の免許を取った府中の教習所には自動二輪のコースもあったので、そこに通った。一応すでにオートバイに乗れるし(乗っていた)、車の免許も持っていた僕は、高校生の男子たちのグループに混ざって教習を受けたのだが、教官には、「その辺勝手に走っていてください。」と一人放置された。結局、活発そうな高校生を尻目に、最低の時間で中型自動二輪の免許を取得した僕は、免許を手にしたときは、車の免許を取ったときより、嬉しかった。

HONDA XLX250

そして、初ボーナスで買ったのが、HONDA XLX250というオフロードのオートバイだった。当時は、キャンプを始めとするアウトドアの遊びをあれこれしていたので、選択肢はオフロードバイク一択だった。ただし、その中で選ぶべきオートバイは、YAMAHA XT250か、HONDA XL250Rかという状況だった。どちらにしようか悩んでいるときに、HONDAからXLX250Rという新しいオフロードバイクが発売になり、それに飛びついたのだった。

結果的にはメインテナンスがプロ泣かせで、あまり人気がでなかったバイクだったけれど、HONDA CB50 なんかと比べると、まるで別世界のオートバイだった。

テントを積んで、山梨、群馬や長野をこれで走り回ったものだった。特によく走ったのが八ヶ岳周辺。141号線を八千穂から白駒池や麦草峠を越えて茅野へとか、佐久から大河原峠を越えて白樺湖へとか、152号を蓼科方面に往復したり、伊那方面に往復したり、さらに、木曽福島の車屋、小諸の丁子屋、戸隠のうずら家や極意にそばを食べるだけのために走りに行ったりとか。

また、四尾連湖に行った際に尻焼温泉を発見したり、乗鞍温泉の白濁した酸性の強い湯で目をやられたり 笑。

本当にみんなでよく走ったなあ。千葉の亀山湖までカヌーの野田知佑さん(今年3月にご逝去された。)に会いに行ったりもした。駒沢敏器と一緒に松本、穂高、中房温泉、大町、白馬、奥裾花、戸隠、野尻湖、長野と走った夏もあった。

Go into the sky

そのXLXをYAMAHA SR400に乗り換えたのは、25歳のころだったか。足繁く通っていた甲斐大泉のペンションドンキーハウス(角川書店で野生時代の編集(片岡義男氏担当)をしていた加藤則芳氏(その後日本を代表するバックパッカーとして有名になった。)が、僕らが大学生の頃に開いたペンション)に遊びに行ったときに、改造したSR400に乗ってきたカップルがいて、思わず惚れた(バイクにね)のだった。当時、バブルを直前に、ボーナスは今から考えるとあり得ない額(年8か月とか)が出ていた時代で、都心で遊ぶことのほとんどなかった僕らは、もっぱらアウトドアにお金を費やしてきたのだけれど、その乗りで、なけなしのボーナスをエイヤと費やして入手したのだった。といってもSR400 は、ぶっとびバイクに比べるとふところに優しい値段ではあったが。

あの頃のオートバイ_d0227799_14235450.jpg

オンロードだけれど、どことなくオフの香りがしたのは、SRのエンジンが、オフロードバイクのXTの流れを汲んだ短気筒のDOHCだったからか。僕の買ったのは、1985年式のドラムブレーキ仕様のものだった。

このオートバイへの思い入れは、XLX250Rをはるかに凌駕するものだった。本当にそれはそれは素晴らしいオートバイだった。ビッグシングルのエグゾーストが、とても良い音だったのを今もはっきりと思い出せる。ちょっと前傾姿勢になるので長時間乗っていると首から左肩にかけての筋肉がすっかり凝り固まって、結構つらかったけれど、それでも、乗っていてとても楽しいオートバイだった気がする。こいつでもあちこちいったなあ。土曜日の朝起き出して、あてもなく走り出して、結局軽井沢まで走り、茜屋珈琲店でコーヒー飲んで帰ってくるとか、金曜の夜にみんなで走り出して、富士山の朝焼けを見にいったりとか。

YAMAHA SR400

一番の思い出のツーリングは、夏の奥志賀。懐かしの須坂から山田温泉、山田牧場、七味温泉、笠が岳の横を抜けて熊の湯で292号線へ。そこから志賀高原を抜け、奥志賀へ。そこにあった会社の福利厚生施設をベースに、草津まで走ったり、野沢温泉まで走ったり。当時まだ奥志賀から先はずっとダートだったけれど、SR400は、ダートもものともせずに、しっかり走ってくれたのだった。あの夏のあのソロツーリングの経験は、ただ道を走っただけなのに、25歳の僕にとってはいろんな意味で大きな意味のあるイベントだった。その相棒がプリミティブなビッグシングルバイク、SR400だったというのも、あの頃の僕にしてみると、大きな意味のあることだったのだと、僕は思う。

奥志賀(長野)

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by darjeeling_days | 2022-08-02 12:00 | gadget:小道具 | Comments(0)

美味しいものを食べて、旅して、写真を撮って、本を読む。そんな日常の極上の楽しみを切り出した、至極個人的なブログです。https://www.tearecipe.net/


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