角松敏生はどこへ向かうのか?

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まだまだ暑い日が続いていた8月の終わりに、角松敏生の新譜「Inherit The Life」が発売になった。20歳でプロデビュー以来、約40年に亘りシンガーソングライターとして自身の名義による多くの作品を発表して来た彼が、そろそろ集大成を考え始めているはずのこの時期の新譜だったので、大いに期待していたのだった。

しかし、「これはいったいなあに?」というのが正直な感想だった。あの尖った角松敏生は、そこにはもういなかった。「東京少年少女」、いや
「THE MOMENT」の時からその傾向はあったのだけれど、最近の彼の音楽の根底にあるのは、娘が大好きな父親の姿。娘がはまったというミュージカル系にどっぷりと浸り、そちらに舵を切ってしまった彼の作品は、正直、お金を出してCDを買おうという気にはさせてくれなかった。

もちろん、相変わらず彼の周りに集結している超一流ミュージシャンたちの演奏を楽しめるという意味では、良盤なのだけれど、ただそれだけに終わってしまっている気がする。ただ聞き流すだけの曲たち。

そう、彼の最近の曲には、既にラブソングはない。確かに彼は僕と同じ年なので、今更ラブソングもないだろという気持ちというのはよくわかる。しかし、彼の場合は、自分探しが長く続いた先に、家族をもち、娘ができたことから、すっかりあのバブルの時代を経て、ある意味良くも悪くもオトコのアコガレをまんま絵に描いたような存在で、音がキラキラしてソリッドでカッコよく、都会的で洗練されててオシャレだった時代は、そのまま良い父親として終焉してしまったということなのだろうか。矢沢永吉のように、変わらずに輝き続けるロッカーのような、そんな煌めきは、この新譜からはみじんも感じられなかった。

未だにどうしても「T’s BALLAD」、「GOLD DIGGER」、「BEFORE THE DAYLIGHT」、「君をこえる日」を聞いてしまうのは、「THE MOMENT」以降の角松敏生に満足できていないという証拠なのかもしれない。

中途半端・・・。これが集大成だなんて全く考えたくはない。正直、このアルバムの曲は、五年先でも聴く事が出来るだろうか?一体全体、角松敏生は何処へ向かおうとしているのだろうか。

結局、この「Inherit The Life」は、Spotifyで数回聞いたきりになってしまい、戻ったのは、やはり「T’s BALLAD」だった。

角松敏生「Inherit The Life」

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Commented by kaotti-1 at 2022-10-21 09:51
おはようございます。
私も同じ様に感じています。
心が離れていく…
応援していますが、ちょっぴり寂しいです。
Commented by darjeeling_days at 2022-10-22 11:01
> kaotti-1さん
コメントありがとうございます。
そう思いますよね。
昔の角松は良かったなどというと、
ノスタルジックになりますが、
やはりあのとんがったサウンドが好きでした。
今は高校時代の同級生山内薫君がベースで参加しているので
まだ角松追いかけてますが、
普段聞くのはやっぱり昔の角松です。
by darjeeling_days | 2022-10-19 21:30 | music:音楽 | Comments(2)

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