建仁寺で茶の花を愛でる

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いったんホテルでシャワーを浴びて、着替えた後、市場通りをぶらぶらと祇園方面へ。紅茶専門店ラ・メランジェのオーナー松宮さんと待ち合わせということだったが、花見小路の一力茶屋のあたりはすごく人がいて、一力茶屋の前で待ち合わせするといまは怒られるということなので、四条通の一力茶屋の赤い塀の前(ここはめちゃ人が多い)で待ち合わせをすることになった。一力茶屋の暖簾はとてもフォトジェニックなのだけれど、舞妓さん、芸子さんを激写する人が多く、お茶屋で遊んだ人たちも、写真撮られるんじゃ嫌だよねということで、かなり規制を厳しくする必要があったらしい。残念ながら京都では最近そういうところが多くなってしまったなあ。

さすが、この時期に花見小路を歩くと、とても多くの人が道を歩いている。しかも今日は競馬があるらしく、このとおりには場外馬券売り場があり、おっさんたちが沢山たむろしていた。ここはちょっとどこかへいてんすればいいのになあ。ここにあった歌舞練場は現在帝国ホテルにリノベーションされているというので、なおさらそれを感じる。

で、松宮さんと向かったのは、建仁寺。ちょうど茶の花が咲いている時期でもあり、是非見せたいものがあるという。建仁寺は、日本における茶祖ともいわれる栄西が改竄した寺であり、四つ頭茶会が開催されることでも有名な寺院だ。境内の生垣はお茶の生垣になっていて、実際にここの生垣の茶を摘んで、お茶も作られるらしい。

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境内には、昭和五十八年、祇園辻利により寄進建立された茶碑が立っている。さらにその東側には「平成の茶苑」が茶の将来八百年を記念し平成三年に植樹された。毎年5月には茶摘みが行われるという。僕も何回かこの寺で開催された茶会(主に中国茶だが)に参加したことがある。

さらに最近茶碑の左側には桑の碑が建てられてた。栄西は、『喫茶養生記』に上巻で茶の効用をといたが、下巻では桑の効用をといたことから、こんなのが今頃になって作られたらしい。

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松宮さんが僕に見せたいといったのは、2本の2m程度の茶の木だった。何でも去年静岡県掛川の団体がこの茶の木を寄進したのだという。掛川の茶は、戦国時代に和田岡村高田(掛川市内)の永住寺の改築にあたり、檀徒が京都方面の寺院を視察した際にお茶の種子を持ち帰り、和田岡村吉岡原(掛川市内)に播いたのが始まりだというが、その寺院の一つが建仁寺だったということらしい。だから立て札には「戻ってきた」的な記載があるわけだ。

本来静岡茶は、鎌倉時代に駿河国の僧弁円(聖一国師)が留学先の宋より茶種を持ち帰り、現在の静岡市足久保に栽植したのが始まりなので、栄西とは系列が違う茶だといわれているのだが、掛川だけは違うということらしい。京都人に言わせると「知らんけどな。」と言うことらしいけれど。

そういう世俗的なことはどうでもいいけれど、せっかく植樹したのだから、この地でちゃんと育つといいねと思った。

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境内は折しも茶の花が綺麗に咲いていた。ここに来ると、いつも茶の花が咲いているように思えるので、そんな季節にばかり着ているのかなと思うのだが、それでも、京都の桜、祇園祭なども楽しんでいるので、この時期のみ来ているということではないらしい 笑。

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境内の茶の木は、メインストリートの周辺は綺麗に手入れされているのだが、ちょっと外れたところにある木がどうも放置されている感じだったのはちょっと残念だった。

こういう茶の花をみると、20年ほど前にずっぽり嵌っていたお茶(中国茶メイン)を最近すっかり放置してたなと、ちょっと反省。もっとも、僕の立場は「茶を飲むという形で茶と付き合う」ということなのだけれどもね。

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建仁寺
住所:京都市東山区大和大路通四条下る小松町
電話:075ー561ー0190
拝観:10:00~16:30(17:00閉門)
https://www.kenninji.jp/

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by darjeeling_days | 2022-11-26 20:45 | temple:寺院 | Comments(0)

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