香咲さんのオートバイ小説 続き

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先日、香咲さんのオートバイ小説が好きだったことを書いた。

その後すぐに、片岡さんの『とくには星の下で眠る』を読んでしまったため、ついつい片岡義男のオートバイ小説を立て続けに何本か読んだのだけれど、香咲さんの小説も読み返したいなと思い、ついつい、Amazonで古本の文庫を2冊ぽちっとしてしまった。

香咲さんの小説は、今読み返すと、素人小説。女子大生に毛の生えたような年齢の女性が、オートバイにのって、当時のトレンディーなあれこれをまぶしました的な小説なのだけれど、片岡さんのような、美人が出てきて、あっさりとした恋愛感情が流れているというストーリーが多いので、一見軟派に見えるのだが、その実、奥底は結構な硬派小説でしたというのとはまるで違うのが、逆に面白いなあとおもった。

当時は、こういう小説にある意味憧れがあって、めちゃくちゃ馬鹿にしながらも『なんとなくクリスタル』を読んでしまったのと、どこかしら共通する当時の空気というのがあったのかもしれない。もっとも、香咲さんの小説は、題材がオートバイに乗る女性なので、その姿勢は、田中康夫とは一線を画していたけれど。

今回買ったのは、香咲さんの処女作である『彼女のライダーズ・シック』と『終らない夏』。

『彼女のライダーズ・シック』は、オートバイをめぐる女性たちの、それぞれの冒険を淡々と描く小説集。夢を追い、恋を追い、そして旅立っていく彼女たちに共通するのは、オートバイに乗って風になる瞬間に奇妙な充実感をあたえるということ。そんなセンシティブな感情をうまく表現した小説だ。

そして『終わらない夏』は、悪く言うと不倫小説。よく言えば、閉じ込められた日常からオートバイで抜け出した先にある、開放された愛の高揚と決別という感じだろうか。いずれも、オートバイに乗っている時の描写は、結構秀逸だと思う。やはりオートバイ乗りにしか書けない小説という感じなのだろうか。やはりさらりとしているところが、香咲さんらしい。

この勢いで、山川健一等の昔のオートバイ小説も読んでしまおうか。

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by darjeeling_days | 2023-11-19 15:00 | book:本 | Comments(0)

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