清里 喫茶ミルク
2025年 07月 27日
1977年の冬、僕は友人駒沢敏器と小海線に乗って清里を訪問した。
当時はまだ清里駅は八ヶ岳の主峰赤岳に登る登山客が下りるぐらいで、駅前には1~2軒の土産物屋があるだけの閑散とした木造の駅だった。
ユースホステルのチェックインの時間までまだ間があった僕らは、駅前からぶらぶらと散歩がてら周辺の雪道を歩いてみた。その先で見つけたのが、開店してまだ日が浅いこの喫茶ミルクだった。
その日はとても寒い日だったのだけれど、登山でもするような恰好をした僕らを迎えてくれたこのミルクは、その後の清里を象徴するようにファンシーな店で、なんとも僕らはその店内の中で、居心地が悪い思いを抱いたのだけれど、当時若かったオーナー夫妻がとても温かく迎えてくれたこともあって、その居心地の悪さもそのうちすっかり忘れて、その空間を楽しむことができた。
少し薄めに入れられた珈琲、白を基調とした色合いに木のキナリノの色が混ざり合った空間、温かい空気、そしてなによりも牛の形をしたミルクピッチャーの奇抜さに、思わず顔を見合わせながらのけぞってしまうくらい受けたのだった。
あれから48年、まさかミルクが再開しているだなんて。
当時はまだ清里駅は八ヶ岳の主峰赤岳に登る登山客が下りるぐらいで、駅前には1~2軒の土産物屋があるだけの閑散とした木造の駅だった。
ユースホステルのチェックインの時間までまだ間があった僕らは、駅前からぶらぶらと散歩がてら周辺の雪道を歩いてみた。その先で見つけたのが、開店してまだ日が浅いこの喫茶ミルクだった。
その日はとても寒い日だったのだけれど、登山でもするような恰好をした僕らを迎えてくれたこのミルクは、その後の清里を象徴するようにファンシーな店で、なんとも僕らはその店内の中で、居心地が悪い思いを抱いたのだけれど、当時若かったオーナー夫妻がとても温かく迎えてくれたこともあって、その居心地の悪さもそのうちすっかり忘れて、その空間を楽しむことができた。
少し薄めに入れられた珈琲、白を基調とした色合いに木のキナリノの色が混ざり合った空間、温かい空気、そしてなによりも牛の形をしたミルクピッチャーの奇抜さに、思わず顔を見合わせながらのけぞってしまうくらい受けたのだった。
あれから48年、まさかミルクが再開しているだなんて。
僕らにとってこの店は、ある意味、「きっかけ」をくれた店だった。
町田の今は亡き喫茶店K&Aで常連の手によって紡がれた何冊ものノート。普通の喫茶店においてある「訪問帳」のように、たまたま来た人が「おいしかったです。また来ます。」というようなことを書くノートとは一線を画し、まさに常連がそのノート上で様々な創作を行っていたともいえる。僕らも好き勝手にあれこれ遊びの算段や好きな音楽に関する自分の思いやら好きな漫画の何が好きかだとか、あるいは詩作にふけったり、絵を描いたり。
うだつの上がらないサラリーマン、和光大学に通う女子大生、面白い大学教授、そして音楽やアウトドア遊びに興味のある高校生など、いろんな人たちが普通の喫茶店のノートにいろんなことを書き込んでいて、そこにはなんとなく連携をもった一つの世界を作り出していた。
そんなノートを通じて知り合ったのが、たまたま同じ高校に通っていた(でも、知り合ったのは喫茶店という不思議。)駒沢敏器だった。
その彼とこの店で話をしたのが、「雑誌を作ろう」ということだった。
ちょうど前年にポパイが創刊して、片岡義男(以下「片岡さん」)や芦澤一洋といったライターの魅力的な文章を綴っているのを呼んで、僕らは雑誌に対するあこがれのようなものを持っていたので、そんなちゃんとしたものは作れないけど、K&Aのノートの延長線のような雑誌が作れたら面白いよねなんてことを、珈琲を飲みながら(あの当時僕はまだ珈琲には砂糖とミルクは必須だったのだった・・・。)ああでもないこうでもないとひとしきり話合ったのだった。
たまたま僕がはまっていた山関連の小説にでてきた「MORGEN ROTE」(山の朝焼け)という名前を雑誌に付けたらいいかもという話になり、まさにこの喫茶ミルクでその後10年近くつづいた「MORGEN ROTE」が誕生したのだった。
町田の今は亡き喫茶店K&Aで常連の手によって紡がれた何冊ものノート。普通の喫茶店においてある「訪問帳」のように、たまたま来た人が「おいしかったです。また来ます。」というようなことを書くノートとは一線を画し、まさに常連がそのノート上で様々な創作を行っていたともいえる。僕らも好き勝手にあれこれ遊びの算段や好きな音楽に関する自分の思いやら好きな漫画の何が好きかだとか、あるいは詩作にふけったり、絵を描いたり。
うだつの上がらないサラリーマン、和光大学に通う女子大生、面白い大学教授、そして音楽やアウトドア遊びに興味のある高校生など、いろんな人たちが普通の喫茶店のノートにいろんなことを書き込んでいて、そこにはなんとなく連携をもった一つの世界を作り出していた。
そんなノートを通じて知り合ったのが、たまたま同じ高校に通っていた(でも、知り合ったのは喫茶店という不思議。)駒沢敏器だった。
その彼とこの店で話をしたのが、「雑誌を作ろう」ということだった。
ちょうど前年にポパイが創刊して、片岡義男(以下「片岡さん」)や芦澤一洋といったライターの魅力的な文章を綴っているのを呼んで、僕らは雑誌に対するあこがれのようなものを持っていたので、そんなちゃんとしたものは作れないけど、K&Aのノートの延長線のような雑誌が作れたら面白いよねなんてことを、珈琲を飲みながら(あの当時僕はまだ珈琲には砂糖とミルクは必須だったのだった・・・。)ああでもないこうでもないとひとしきり話合ったのだった。
たまたま僕がはまっていた山関連の小説にでてきた「MORGEN ROTE」(山の朝焼け)という名前を雑誌に付けたらいいかもという話になり、まさにこの喫茶ミルクでその後10年近くつづいた「MORGEN ROTE」が誕生したのだった。
もちろん、オーナー夫妻のご協力を得て、創刊後何号かをミルクにおいてもらって実費販売したりもした。仲間の英ちゃんなどは、赤岳に登った後、帰り道にミルクにおいてもらうMORGEN ROTEを届けたりして(たしかミルクに届けてくるついでに赤岳登ってくるって感じだった。)いたものだった。
僕等はそのうち、角川書店で片岡さんの編集者をしていた加藤則芳さんが清里の隣の甲斐大泉オープンしたペンションドンキーハウスを、片岡さんの「きまぐれ飛行船」というラジオ番組で知り、すぐさま訪問した。僕が大学2年のころだったかと思う。それ以降、八ケ岳での活動はもっぱらペンションドンキーハウスを中心に行われることになったのだった。
そのため、その後すっかりチロリン村と化した清里にはほとんど近づかなくなってしまった。余談だが、僕らが八ケ岳のカレー屋というと、ROCKではなくアフガンとなったのは、そんなことも影響しているのだろう。
僕等はそのうち、角川書店で片岡さんの編集者をしていた加藤則芳さんが清里の隣の甲斐大泉オープンしたペンションドンキーハウスを、片岡さんの「きまぐれ飛行船」というラジオ番組で知り、すぐさま訪問した。僕が大学2年のころだったかと思う。それ以降、八ケ岳での活動はもっぱらペンションドンキーハウスを中心に行われることになったのだった。
そのため、その後すっかりチロリン村と化した清里にはほとんど近づかなくなってしまった。余談だが、僕らが八ケ岳のカレー屋というと、ROCKではなくアフガンとなったのは、そんなことも影響しているのだろう。
5年前にオープンした喫茶ミルクは、外観は当時とあまり変わっていないように見えた。カウンターに置かれているマッチ(昔はショップカードの代わりにマッチにお店の案内が書かれていたっけ。)は昔のままだった。
それでも、店の一部が改装され広くなっていたり、オーナーの奥様が猫好きということもあり、店に置かれている結構な数の本が皆猫関連の本で占められているのを見て、なんだかやはり時間は経過しているのだということを感じた。
オーナーの奥様は、MORGEN ROTEのことを覚えていてくださり、すっかり話が弾み、この後の宿のチェックイン時間を過ぎてしまったので、本当は行くはずだった清泉寮は明日に回し、懐かしいミルクでの時間を楽しんだのだった。
青春時代の思い出の店、オーナー夫妻は僕らよりも6~7歳年上なので、この店もいつまであるかわからない(奥様がそうおっしゃっていた)けれど、そしてあの時のように敏器はいないけれど、それでも、やはりもう何回かは足を向けないといけないなと 思うのだった。
それでも、店の一部が改装され広くなっていたり、オーナーの奥様が猫好きということもあり、店に置かれている結構な数の本が皆猫関連の本で占められているのを見て、なんだかやはり時間は経過しているのだということを感じた。
オーナーの奥様は、MORGEN ROTEのことを覚えていてくださり、すっかり話が弾み、この後の宿のチェックイン時間を過ぎてしまったので、本当は行くはずだった清泉寮は明日に回し、懐かしいミルクでの時間を楽しんだのだった。
青春時代の思い出の店、オーナー夫妻は僕らよりも6~7歳年上なので、この店もいつまであるかわからない(奥様がそうおっしゃっていた)けれど、そしてあの時のように敏器はいないけれど、それでも、やはりもう何回かは足を向けないといけないなと 思うのだった。
清里 喫茶ミルク
住所:山梨県北杜市高根町清里3545-556
電話:055-148-2904
営業:11:00~17:00
定休:火曜、水曜、木曜(不定休)
https://www.facebook.com/shirakurasachiko
住所:山梨県北杜市高根町清里3545-556
電話:055-148-2904
営業:11:00~17:00
定休:火曜、水曜、木曜(不定休)
https://www.facebook.com/shirakurasachiko

by darjeeling_days
| 2025-07-27 15:45
| cafe:カフェ
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